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NAB2016: FilmLightはBaselight 5.0を発表、HDRのグレーディング機能をさらに強化

FilmLightは新しいBaselightのソフトウェア、バージョン5.0を発表します。それには、まったく新しいカラーコントロールとこれまで以上に洗練された直感的なグレーディングツールが含まれており、プロのカラリストはもちろん制作プロセスにかかわるすべてのクリエイティブ・アーティストに新しいツールを提供します。この最新のリリースでは、HDRグレーディングと拡張したカラーガマットの両方に最適化された新しいツールセットが導入されます。

FilmLightはここ数年にわたってHDRフィニッシングの最先端に立ってきました。これはBaselightが持つ柔軟で、しかも安定したレンダリングエンジンを活用して、HDRマスタリングに必要とされる広範囲のテクニックを提供できたからです。BaselightはDolby Visionのマスタリングを可能にした最初のカラーコレクション・システムであり、これまでDolbyのみならず、HDR技術の先駆者であるソニー、NHK、BBCとも協力してSMPTE ST-2084やARIB STD-B67を含むHDRマスタリングの方式やフォーマットの実装や改善に尽くしてきました。

HDRディスプレイやプロジェクターは現在、これまで以上に入手が容易になり、より黒い黒や輝くようなハイライト、そして広いカラーガマットがマスタリングの課題となりつつ、従来のテレビやシネマ・プロジェクターも同時にサポートする必要があります。NAB2016において、FilmLightは、その業界トップのHDR技術とワークフローを幅広い製品群を用い、複数の4K HDR可能なマスタリング・ディスプレイとともにデモし、HDRグレーディングによって得られる創造性を実演します。

「HDRのグレーディングとマスタリングにはいくつかの障壁があります」と話すのはFilmLightのCEO、Wolfgang Lemppです。「カラリストには、これまで以上のダイナミック・レンジを扱える対話的で直感的な方法が必要です。自然なグレーディングも必要です。しかも、他のフォーマットの納品のために費やす努力は最小限にしながら、HDRイメージから得られる経験にできるだけ近い高品質に仕上げる必要があります。Baselight 5.0のツールセットは、これらの課題に真正面から向き合っています。」

Base Gradeの新規導入
Baselight 5.0のために新たに開発されたのがBase Gradeで、人間の目が色を捉える方法を正確に模しています。base、exposure、tintの3つの要素によってイメージの色を調整することによって、その反応は直感的で予測可能なもので、HDRイメージを自然にグレーディングすることが可能になります。exposureの各ゾーンはイメージ全体のバランスを損なうことなく独立して調整することができます。Base Gradeはカラーグレーディングに、より写真的なアプローチを導入するもので、exposureのストップ値やプリンターライトによって、DoP(撮影監督)が期待しているものを実現することを可能にします。

FilmLightの主導開発者であるMartin Tlaskalは「Base Gradeは、これまでに我々が開発したなかで最も進化したクリエイティブやグレーディング機能です。ユーザーの『感じ方』は、選択しているグレーディング用カラースペースにかかわらず、常に一定になります。知覚的にリニアなスペースで動作しますので、RAWフォーマットやOpenEXR、あるいは他のシーン・リファードなデータにおいて、HDRでもSDRでも完璧なグレーディング手法ということができます」と説明する。

拡張されたカラーマネージメント
Baselight 5.0は、この新しく直感的な手法をFilmLightの比類のないカラーマネージメントと広範囲のHDR処理能力に組み込むことになります。新しくカラースペース「ファミリー」の概念が導入され、テレビ・映画・モバイルなどの異なる表示環境に対する納品プロセスを単純化することができます。

複数の表示フォーマットの納品物が必要な場合、その仕上げプロセスは複雑で時間のかかるものになりますが、このパワフルな機能によって、自動的に正しいレンダリング用の変換式を選択することによって、不確実性を取り除きます。いったんグレーディングにOKが出たら、Baselightは「ファミリー」のなかの最適な変換式を選択し、納品物がそれぞれの目的に最適化されていることを確実にします。

新しいガマット最適化
さらに、新しいガマット最適化機能によって、Baselight 5.0は本質的で実現の用意なガマット・マッピング機能を提供します。これは最新のHDRディスプレイを構成す要素のひとつとなっている広色域に対応するものです。

Before and after gamut compression

gammut compressionの適用前(左)と適用後(右)

「新世代のハイエンド・カメラは究極的にパワフルで、しかしながら、それゆえに現在のテレビ画面には到底表示できないような色までもキャプチャーしてしまいます」と説明するのはLemppです。「我々の新しいガマット最適化機能は、これを簡単に修正し、納品フォーマットに最適な自然なガマット・マッピングを実現します。」

HDRイメージの色が規格のカラーガマットに収まらない場合、新しいgamut compression機能はきめ細かくガマットの内側に引き戻します。これは外側のカラーボリュームを圧縮するもので、内側のカラーボリュームには影響しません。明るく、サチュレーションの高い色はクリップされることなく、イメージの破綻を招くことがなくなります。このプロセスは非常に高速で、カラリストは単に最後のチェックの段階で、必要な部分に処理を施すだけでよく、イメージを完全にする作業により多くの時間を費やすことができます。

FilmLightは、この新しい革新的なアプローチを4月18〜21日にラスベガスで開催されるNAB2016において、同社ブース(SL3829)で紹介します。

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